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Channel: 重賞ウィナーレポート - 競走馬ふるさと案内所
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新潟大賞典 G3

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 新潟競馬場に春を告げる第34回新潟大賞典(G3)は、新冠町のノースヒルズマネジメント(現・(株)ノースヒルズ)が生産した5番人気のヒットザターゲットが3度目の重賞挑戦で初V。重賞の常連として活躍しながらタイトルに恵まれなかった母ラティールの無念を晴らす勝利となると同時に同グループ生産馬は、2004年生まれの世代から2009年生まれの3歳世代まで6世代連続で重賞勝利馬を送り出すことになった。  「重賞競走というのは出走するだけでも名誉なことですが、今回はラティールの子で重賞を勝ったということに特別な思いがあります。嬉しいです」と鳥取県にある大山ヒルズの斎藤慎ゼネラルマネージャーは、相好を崩した。  ラティールはノースヒルズの前々身にあたるマエコウファームの生産馬。同期にはファレノプシスやオルカインパルスがいる世代で、同ファーム躍進のきっかけとなった世代でもある。父タマモクロスゆずりの渋太い末脚を武器に活躍し、3歳時にはファレノプシスとともに牝馬三冠競走に出走。オークス(G1)では4着と健闘した。しかし、重賞競走の壁は厚く16度の挑戦も愛知杯(G3)2着が最高着順。通算30戦5勝は胸を張れるものだが、無念のまま繁殖牝馬になっていた。  牧場に戻ったラティールには、牧場の期待を示すかのように最高級の種牡馬が用意され、そして生まれた子は結果を出し続けた。出走した5頭中3頭がJRAで勝利し、初仔のエテルノ、2番仔のポーカーフェイスは準オープン特別での好走歴がある。そして、ヒットザターゲットが、その名前の通りに重賞競走を打ち抜いた。  「ラティールの仔だからといって特別扱いはしていませんが、性格はお母さんとよく似ていたので覚えています。周りに合わせちゃうと言うか、本気で走らないところがお母さんそっくりでした」と斎藤さん。「ラティールもお世話になった加藤敬二先生は、そんなヒットザターゲットの性格をよく理解いただいているのだと思います」と言う。2歳夏のデビューからほぼ月1回のローテーションを守り、思うような結果を残せないときでも、焦らずにこの馬に適した条件を選んで使ってきた。「送り出したあとは、3歳の秋に1度戻ってきたくらいです。今回の勝利は厩舎スタッフのおかげです」と感謝の言葉を並べた。  そんな勝利を斎藤さんは、ヒットザターゲットの重賞初勝利を東京競馬場のパドックで見た。新潟大賞典が行われたこの日は、NHKマイルC(G1)当日。3歳のマイラーナンバーワンを決めるこのレースには、ヒットザターゲットと同じノースヒルズマネジメント生産のクラレントとブライトライン、そして前田幸治オーナーが所有するモンストールの3頭を出走させていた。斎藤マネージャーは北海道、そして大山、大阪本社から駆けつけた15~6人の応援団とともに東京競馬場にいたのだ。  「G1レース直前のパドックで、違う競馬場で行われている重賞優勝を味わうなんて、凄い経験をさせてもらいました」と興奮気味。「このあとは、宝塚記念(G1)に挑むと聞いています。他にもグループの馬が出走すると思いますが、これからも1頭でも多く大きな舞台を踏めるように、努力していきます」と目標を語ってくれた。

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