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Channel: 重賞ウィナーレポート - 競走馬ふるさと案内所
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フローラS G2

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 オークストライアル・フローラS(G2)はミッドサマーフェアが直線楽に抜け出して完勝。1番人気に応える堂々たる勝利で、樫の女王に向けて大きく可能性を広げた。  本馬の生産は日高町のダーレー・ジャパン・ファーム。一昨年のNHKマイルC(G1)をダノンシャンティで制した以来の重賞勝ちに牧場は沸いている。昨年はデボネアが牡馬クラシックをにぎわせたが、今年の3歳世代もアルキメデス、エクセルシオール、キズマ、サドンストーム、スノードン、フリートストリートなどOP馬を量産している。  同牧場繁殖主任の福原博さんにレースの感想を伺うと、「強い内容でしたね。もともと期待を集めていた馬でしたが、ついに重賞を勝ってくれて本当に嬉しく思っています。と、胸の高鳴りを伝えてくれた。  本馬は英国産の母ストロベリーフェアの4番仔として誕生した。祖母にBCジュヴェナイルフィリーズ(G1)、フリゼットS(G1)を制したストームソングがいる良血で、牝系からはJRA勝馬を複数送り出している。牧場時代の本馬については、「従順で扱いやすく、手のかからない馬でした。どちらかと言うと母馬似でしたね。」と、福原さん。離乳後から携わった育成主任の三宅公彦さんは、「脚が長く、品のある馬でしたね。同世代の中でも目につく好馬体で、すこぶる順調に育ちました。」と、当時を振り返る。管理する小島太調教師も早くからこの馬の素質を評価していたという。  2歳には本馬の半弟にあたる父キングヘイローの仔が、当歳には半妹にあたる父コマンズの仔が生まれている。母ストロベリーフェアは今年アドマイヤムーンを種付けし、無事に受胎。母馬について福原さんは、「仔出しは良く、子育てはしっかりしています。人に悪さをすることはありませんし、賢い馬ですね。」と、優秀さを語る。国内に数少ないBC優勝馬の血を受け継ぐ繁殖牝馬として、今後も逸材を送り出していきそうだ。  昨年の2歳女王の戦線離脱と、桜花賞(G1)上位組が僅差のゴールだったことから、抜けた馬がいないオークス(G1)は新興勢力の台頭も十分あり得る。「次走に向けて楽しみが膨らみますね。大きなタイトルを獲って、将来は故郷に帰ってきて欲しいです。」と、期待と愛情を向ける福原さん。手がけた競走馬の飛躍は何よりの励み。彼女の未来が幸せで輝けるように、まずはその願いは5月20日、一生一度のひのき舞台へと注がれる。

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